PPV「ロイヤルランブル2007」(ネタバレあり)
(翌週のSmackdownまで放送されたのでネタバレ解禁します)
「レッスルマニアへの道(Road to Wrestlemania)」のスタート地点となるビッグイベント「ロイヤルランブル」。業界最高峰の祭典「レッスルマニア」に向けたストーリーが動き出します。今年で実に20回目、歴史ある伝統の大会となりました。
3ブランド共催で行われるので、リングサイドの放送席はRAWチーム(ジム・ロス&ジェリー・“ザ・キング”・ローラー)、スマックダウンチーム(マイケル・コール&ジョン・ブラッドショー・レイフィールド)、ECWチーム(ジョーイ・スタイルズ&タズ)が並んでいました。つまり、カルロスとヒューゴの居場所はありません。
MNM(ジョーイ・マーキュリー&ジョニー・ナイトロ with メリーナ) vs ザ・ハーディーズ
MNNの華やかな入場はPPVのオープニングにピッタリです。試合運びはいたってオーソドックスですが、その分入場シーンで魅せてくれます。対するハーディーズも華があります。ビッグイベントの幕開けに相応しい第1試合でした。○ジェフ(スワントーン・ボムからピンフォール)ナイトロ×
手が合うみたいですし、この抗争はレッスルマニアまで引っ張っても良いのではないでしょうか。レッスルマニアのラダーマッチで決着戦を行うだけの価値があります。
ECW選手権試合 (王者)ボビー・ラシュリー vs テスト(挑戦者)
テストは試合放棄同然のカウントアウト負けを選びました。試合前にはあれだけ気合の入ったコメントを出していたのに、いったいどういうことでしょうか。通常放送枠であれだけ良い試合をしているのに、PPVでこんなまずい試合をするとは理解不能です。ラシュリーは入場ゲートに向かうテストを追いかけて捕らえ、リングに戻して痛めつけました。しかし、この結末に何の意味があるのかさっぱり分かりません。
○ラシュリー(カウントアウト)テスト×
※ラシュリー王座防衛
世界ヘビー級選手権試合 (王者)バティスタ vs ミスター・ケネディ(挑戦者)
ケネディはバティスタの左膝に的を絞って猛攻を加えました。バティスタはパワーで振り切ろうとするのですが、膝の痛みで技が崩れ、反撃は単発に終わり、終始ケネディ優位で試合が進みました。バティスタがバティスタボムに入ろうとしたところ、ケネディが踏ん張って突き飛ばしたのですが、後ろにいたレフェリーのニック・パトリックに誤爆、失神してしまいました。やはり誤爆失神がなければビッグイベントらしくありません。この芸は伝統芸能として後世に伝えなければなりません。キオーダ、ニックの後継者が現れることを期待します。
ケネディはネックブリーカードロップを決めてカバーしたものの、レフェリーは失神しているのでカウントが入りません。10カウント分くらいカバーしたのですがニックは起き上がりません。仕方なく諦め、ニックを起こしてから低空DDTを決めたものの、これでも決まらず。
焦ったケネディはダイブ技を仕掛けようとしたのですが、迎撃され、バティスタボムを食らってジ・エンド。
○バティスタ(バティスタボムからピンフォール)ケネディ×
※バティスタ王座防衛
抽選会場にて
WWEで最も小さいリトル・バスタードと最も大きいグレート・カリがご対面。バスタードの身長はカリのへその高さと同じくらいで、これだけ差があると「本当に同じホモ・サピエンスなのか?」と思ってしまいます。この二人が化石になって発見されたらきっと別種と認定されるでしょうね。カリはでかい手で抽選番号の入ったカプセルを3つ取ってしまいました。カリが残した2つのカプセルを拾ったケリー・ケリーは「あら、こんな大きなボールズは初めてよ」…ってまたんきネタですか。そこに通り掛ったロン・シモンズが一言"Damn!"
WWE選手権試合 ラストマン・スタンディング・マッチ (王者)ジョン・シナ vs ウマガ(挑戦者)
シナの反撃って全部ウマガの自爆と凶器攻撃じゃん。鉄柱にぶつかるのも鉄階段に叩きつけられるのもモニタで殴られるのもテーブルに沈むのも全部ウマガ。シナは危険な技はまるで受けず、いくらでも手加減できる技を受けるだけ。しかも途中から「わき腹を痛めている」という設定を忘れて普通に動いているという。
面白い試合にはなりましたが、それはウマガの力量によるものです。その上、最後は道具を使って勝利をもぎ取ったのです。王者たるもの、最後は自らの肉体を使った技で決めなければなりません。これほどまでに器の小さな王者がいたでしょうか?こんなのはチャンピオンのやるべき試合ではありません。
あれほどまでにハードな試合をさせられた上に負け役とならざるを得なかったウマガが不憫でなりません。一人でこれほど良い試合を作り上げたのですから、ウマガこそもっと高く評価されるべきです。
○シナ(ロープを悪用した首絞め→10カウントKO)ウマガ×
ロイヤルランブル・マッチ
開始前にリリアンさんからルール説明。(字幕からの引用)「1番と2番のクジを引いたレスラーが試合を始めます。90秒ごとに1人が加わりますが、入場順はクジのとおり、30人目まで同じように入場します。トップロープ越しに場外に落ち、両足がついたら脱落。最後まで残った者が07年ランブル戦の優勝者となり、レッスルマニア23のメイン戦に出場することができます。」
マイクロホンサイド(矢野武語)はMC、JBL、キングの3名。
入場順:括弧内は所属
- “ネイチャーボーイ”リック・フレアー(RAW)
- フィンレー(SD)
- ケニー・ダイクストラ(RAW)
- マット・ハーディ(SD)
- エッジ(RAW)
- トミー・ドリーマー(ECW)
- サブゥー(ECW)
- グレゴリー・ヘルムズ(SD)
- シェルトン・ベンジャミン(RAW)
- ケイン(SD)
- CMパンク(ECW)
- キング・ブッカー(SD)
- スーパー・クレイジー(RAW)
- ジェフ・ハーディ(RAW)
- サンドマン(ECW)
- ランディ・オートン(RAW)
- クリス・ベノワ(SD)
- ロブ・ヴァン・ダム(ECW)
- ヴィセラ(RAW)
- ジョニー・ナイトロ(RAW)
- ケビン・ソーン(ECW)
- ハードコア(ボブ)・ホーリー(ECW)
- “ハート・ブレイク・キッド”ショーン・マイケルズ(RAW)
- “マスターピース”クリス・マスターズ(RAW)
- チャボ・ゲレロ(SD)
- MVP(モンテル・ボンタビアス・ポーター)(SD)
- カリート(RAW)
- グレート・カリ(RAW)
- ミズ(SD)
- アンダーテイカー(SD)
脱落順:括弧内は落とした者
- ネイチ(ダイクストラ&エッジ)
- ダイクストラ(エッジ)
- ドリーマー(ケイン)
- サブゥー(ケイン)
- ヘルムズ(ブッカー)
- サンドマン(ブッカー)
- クレイジー(RKO指定)
- ジェフ(RKO指定)
- マット(RKO指定)
- ブッカー(ケイン)
- ケイン(ブッカー)
- フィンレー(HBK)
- ヴィセラ(ナイトロ、RVD、エッジ、ソーン、パンク、ベノワ、ボブ、シェルトン)
- シェルトン(HBK)
- ナイトロ(ベノワ)
- ソーン(ベノワ)
- マスターズ(RVD)
- ボブ(カリ)
- ベノワ(カリ)
- ミズ(カリ)
- RVD(カリ)
- パンク(カリ)
- カリート(カリ)
- チャボ(カリ)
- カリ(テイカー)
- MVP(テイカー)
- オートン(HBK)
- エッジ(HBK)
- HBK(テイカー)
注目ポイント:
- ケニー・ダイクストラは20歳。第1回が開催された時には0歳でした。元モーニング娘。の中澤裕子と℃-uteの萩原舞の年齢差3倍(33歳と11歳)に匹敵する衝撃です。
- ケインは9回連続出場。2001年の同大会では11人を落とす大活躍。この大会はホンキートンクマンの歌謡ショーあり、ハードコアランブルありと、同大会史上屈指の面白さでした。
- サブゥーは入る前にリングサイドにテーブルを設置したのですが、ケインにチョークスラムで叩きつけられ、墓穴を
握った掘った形となりました。まさに“スーサイド”。“ホミサイド”はともかく“ジェノサイド”したところは見たことありませんが。 - サンドマンはいつものように観客席から姿を現し、ビール一気飲みパフォーマンスを見せ、シンガポールケインを振り回して暴れ回ったのですが、90秒持たずに落とされました。サンドマンと向かい合ったジェフが一瞬レイヴェンに見えたのは私だけでしょうか?
- マットとジェフが立て続けに脱落。マニアツアー大阪大会のロイヤルランブルで、スモーキー・ガンズのビリーとバートが同じように続けて落ちたのを思い出しました。
- ケインはブッカーを落としたのですが、腹を立てたブッカーは失格したのにリングに戻り、強引にケインを引きずり落としました。
- ヴィセラは8人掛かりで落とされました。巨漢は皆の力を合わせて落とされるものですが、第1回で“ハックソー”ジム・ドゥガンが優勝した時は、最後にヴィセラと同じくらいかそれ以上にでかいワンマン・ギャングが残ったものの、ギャングの突進をかわしてトップロープを下げて落としました。
- ミズ9秒で瞬殺。
- カリ独りで全員ダウンに追い込み、立て続けに7人落としました。
- そのカリを独りで落としたアンダーテイカー。
最後に残ったのは“リビング・レジェンド”の二人。奇しくも、両者とも開催地テキサス州出身です(テイカーはヒューストン、HBKはサンアントニオ)。
両者の直接対決は究極のプレミアムカード。それがロイヤルランブルという舞台で突如実現したのですから、観客の興奮ぶりは大変なものがありました。かくいう私も予想外の出来事に興奮し、その攻防にゾクゾクしました。
結果はアンダーテイカーの勝利。意外にも初優勝(ハウスショーは除く)となります。また、30番クジで優勝したのもこれが初めてです。
リング上で勝ち誇るテイカーと、リング下で無念の表情のHBK。
優勝したアンダーテイカーは、過去14勝無敗の「レッスルマニア」のメインでいずれかの王座に挑戦することになりました。もしかすると、これはアンダーテイカー最終章の序曲なのかもしれません。