エクストリーム・チェンバー出場者決定戦 ロブ・ヴァン・ダム vs ハードコア・ホリー


RVD(ファイブスター・フロッグ・スプラッシュからピンフォール)ボブ
※椅子の上へのスーパープレックス→椅子を体の上に置いてフロッグスプラッシュでプレス


私は同じタフマンコンテストでも、某団体は嫌いなのにハードコアは好きです。その理由は自分でも分かりません。
いずれにせよ、文字通り“粉骨砕身”あるいは“身を削って”ECWを支えているRVDを素晴らしいと思えることは確かです。痛みにのたうち回りながらも繰り出される跳び技の数々に感動すら覚えます。
RVDは決して巧いレスラーではありません。否、むしろ一軍級の中では下手な部類に入るでしょう。しかし、それを補うべく工夫を凝らした跳び技や痛みの伝わるハードバンプを繰り出し、見る者をエキサイトさせるのです。
そして、そんなRVDや、体格的にははっきり言って問題外のレイ・ミステリオを高く評価し、トップを任せたビンス・マクマホン会長もまた偉大です。俗に「売り家と唐様で書く三代目」といわれますが、ジェス・マクマホンから三代目にあたるビンスには当てはまりません。三代目の凡庸な人物ではなく、幾度も訪れた危機を自らの才覚で乗り越えたのです。
レスラーの好き嫌いがはっきりしていて、小柄な選手やマスクマンが嫌いで、跳び技を好まないとも伝えられていますが、才能があり良い試合を見せようと努力しているレスラーを前座に置き続けるようなことはしていません。ビンスがレスラーを贔屓するプロモーターだったら(確かに好き嫌いはありますが贔屓は)、今頃WWEはタイムワーナーの傘下に入っていたかも知れませんし、未だに零細プロモーターのスモールビジネスに留まっていたかも知れません。


ECWの苦境が伝えられていますが、RVDをはじめ、多くのレスラーやエージェントは頑張って良い試合を見せようとしています。
いつか上向きになるのを期待したい、そう思わせるメインの試合でした。