2007/3/12 RAW

at カリフォルニア州ベーカーズフィールド



ビンス・マクマホン会長演説

リング上には床屋の椅子とサインポールが置かれています。これは「レッスルマニア23」にて行われる、ビンス・マクマホン会長とドナルド・トランプ氏の髪切り戦のデモンストレーションです。
会長は「彼にとって唯一の慰めとなるのは丸刈りの流行だろう。セレブにウケている。フェダーラインの前妻ブリトニー・スピアーズ丸刈りにした」と話すと、タイタントロンにブリトニーの髪切り前の写真と現在の写真を映し出しました。続けて「彼女を見たトランプはこう言っているはずだ。『私もこんな奇妙な姿に?』」明らかにトランプ氏ではなくブリトニーに向けられた言葉です。何か恨みでもあるのでしょうか?


そして「髪をいじくったらどうなるかな?」と、トランプ氏の髪型を変えた合成写真をタイタントロンに次々と映し出しました。
まずはミスターT(「特攻野郎Aチーム」で有名な俳優)風。モヒカンです。モヒカンというより丁髷みたいでしたが。
次はてっぺんだけ残した形。
続いて「トランプはジャマイカへ逃避行だ」と、レゲエ風に。
更に“赤と黄色好きのあの男”をモチーフにした、ブロンドの長髪で頭頂部がハゲ。またあの男と仲違いしたんですか…。仲良く喧嘩しな。
最後はスキンヘッド。ジャパンのボンズみたいな…とは言っていませんでしたが。


ネタはそこまで。会長は髪切り戦で闘う代理の選手を紹介しました。選ばれたのは“サモアン・ブルドーザー”ウマガ。会長が「この男は今まさにIC王者になろうとしている。試合は今からだ!」と宣言したところで、IC王者ジェフ・ハーディの入場テーマが流れてきました。



インターコンチネンタル選手権試合 (王者)ジェフ・ハーディ vs ウマガ(挑戦者)

○ウマガ(サモアンスパイクからピンフォール)ジェフ×
※ウマガが新IC王者に


なんと、ここにきてIC王座を獲ってしまいました。格が上がったのか下がったのかは分かりませんが、何にしてもタイトル獲得は喜ばしいことです。良い仕事をしている人は報われるべきです。



“ネイチャーボーイ”リック・フレアー&カリート vs ランス・ケイド&トレバー・マードック

カリートローブロー→バッククラッカーからピンフォールマードック×

マネー・イン・ザ・バンク予選 エッジ vs ロブ・ヴァン・ダム

レッスルマニア23」にて行われる「マネー・イン・ザ・バンク」出場権を賭けた一戦。「マネー(ry」とは、1年間の期限の中で一度だけ任意の時に任意の王座に挑戦できる権利です。昨年はRVD、一昨年はエッジが獲得し、両選手とも権利を行使した試合でタイトルを奪取しています。


○エッジ(スピアーからピンフォールRVD×
※フロッグスプラッシュを狙ったRVDをオートンが突き落とし、立ち上がったところにスピアーを決める
※エッジのマネー(ry出場が決定



WWE名場面集

冒頭にカウントダウンがあったので一瞬「クリス・ジェリコがRAW初登場でロック様に泣かされた場面」かと思ったら、HHH&ジェリコ vs RVD&フレアーの試合でした。とんだ勘違いです…ってなぜここでこの試合なのか意味が分かりません。2002年9月の試合ですよ?
というわけで(どういうわけか)YouTubeから「クリス・ジェリコがRAW初登場でロック様に泣かされた場面」。
Chris Jericho Debuts http://www.youtube.com/watch?v=gFX7_4uTqhI
「役者が違う」という表現がピッタリです。


とりあえず、試合の最中に過去の試合を割り込ませるのはやめれ。(エッジ vs RVDの間に挟まっていた)



WWE女子選手権試合 (王者)ミッキー・ジェームス vs メリーナ(挑戦者)

○メリーナ(ジャックナイフ式エビ固めによるピンフォール)ミッキー×
※ミッキーのハリケーンラナをロープを掴んで逃れ、転落したミッキーが頭を打ったところを丸め込み
※メリーナが女子王者に。これが初戴冠


いささか唐突なフィニッシュで、試合内容もそれほど褒められたものではありませんでしたが、メリーナがタイトルを獲得したこと自体は素直に喜ばしいことだといえます。誰かさんみたいにいつまで経っても下手なままだったら困りますが、少なくともメリーナには試合もきっちりやれるようになりたいという気持ちは感じられますし、徐々にですが質も向上していますし、トリッシュみたいなビジュアルと試合を両立できるディーバになれるかもしれないという期待をもって見ています。



ハンディキャップマッチ ハイランダーズ(ローリー&ロビー) vs グレート・カリ

○カリ(ネックハンギング→落とす→踏みつけ式体固めによるピンフォール)ロビー×

2007年殿堂者紹介

前週のダスティ・ローデスに続き、今年2人目の殿堂入りが発表されました。
“ミスター・パーフェクト”カート・ヘニング(故人)。


AWA世界王者、WWEではインターコンチネンタル王者になっています。キングは「俺も奴とは何度も闘ったことがある」と言っていたのですが、ヘニングからAWA王座を奪ったのが他ならぬジェリー・ローラーその人だったのです。


ヘニングは日本ではそれほど知名度の高い選手とはいえません。AWA在籍時には全日本プロレスに参戦したことがあるのですが、世界王者としての正当な扱いは受けていなかったように思います。World Wrestling Federationに移籍した後は専らアメリカ国内での活動でしたから、日本のプロレスしか見ない人にはどんな試合をするのかあまり伝わっていなかったのではないでしょうか。World Wrestling Federation所属としては、「日米レスリングサミット」ではリック・マーテルとの元AWA王者コンビでキング・ハク(トンガ)&ジャンボ鶴田と、「レッスルフェスト」ではテキサス・トルネード(ケリー・フォン・エリック)とインターコンチネンタル戦で闘っています。
業界内では非常に評価の高い選手だったといわれています。実際、素晴らしいテクニックを持った技巧派でした。派手な大技はほとんど使わず、基本的な技だけで試合を組み立てられる技術を持っていました。また、HBKのハードバンプはおそらくヘニングの影響を受けたものです。ドロップキックとパーフェクト・プレックス(フィッシャーマンズ・スープレックス)のフォームの美しさは特筆もので、全盛期にはおそらく世界で最も美しいドロップキックを放つレスラーでした。
日本では大阪プロレススペル・デルフィンがヘニングをリスペクトしていることで知られています。デルフィンの"Sr.Perfect"(セニョール・ペルフェクト)というニックネームは、"Mr.Perfect"をスペイン語風にしたものです。また、ドロップキックのフォームはヘニングを模倣しています。それより何より、入場テーマは明らかにヘニングの曲をモチーフにしています。


ヘニングはニックネーム通りにパーフェクトなレスラーでしたし、殿堂入りに相応しい実績を残したのは間違いありませんが、ご存命であればまだ殿堂入りはしなかったであろうということを考えると、素直に喜ぶことはできません。首や背中(要は脊椎)に爆弾を抱えながらリングに上がっていたことは知っていましたし、亡くなったと聞いたときにもおそらく鎮痛剤が原因だと思ったのですが、実際その通りだったようです。鎮痛剤は連用すると効きが悪くなり、止めると頭痛が起きるようになるので、規定量オーバーの過剰摂取が常態化しているそうです。しかし、当然ですが副作用があり、循環器系に過大な負担が掛かるようです。ヘニングやエディのような素晴らしいレスラーが鎮痛剤で亡くなるなんて悲しすぎます。もうこれ以上犠牲者を出してはなりません。



ジョン・シナ vs ランディ・オートン

○シナ(エッジ乱入による反則)オートン×
試合後、エッジはコンチェアトを狙ったのですが、HBKが救出に入りました。HBKが椅子でRKO指定を乱打していたところにシナが起き上がり、HBKと目が合って険悪なムードになりました。猜疑心の強いシナは、HBKに助けてもらったのに自分を殴るのではないかと疑ったようです。なんと性格の悪い男でしょうか。お前は三葉ケン一か。