2007/5/16 Smackdown

at イングランド・ロンドン アールズコート・アリーナ
(正式名称は「アールズ・コート・エキシビション・センター」。大阪城国際文化スポーツホール→大阪城ホール みたいなものでしょうか?)


TDK」と「SANYO」の看板が目立つピカデリー・サーカス。玉乗りや空中ブランコは見られません(サーカス違い)



バックステージにて

番組冒頭から荒れ模様。バックステージでのバティスタとミスター・ケネディの乱闘から放送が始まりました。バティスタが馬乗りになってケネディを殴りつけていると、そこに何者かが乱入し、そこで一旦VTRが途切れました。
その後、入場ランプにバティスタが姿を現したのですが、乱闘の相手はフィンレーでした。そこに最初の相手ケネディも加わり、二人でバティスタを痛めつけました。すると、突然場内が暗転して鐘の音が鳴り響き、再び照明が点いた時にはアンダーテイカーがリング上に立っていました。テイカーの姿を目にしたフィンレーとケネディバティスタへの攻撃を止めて引き上げたのですが、再び場内が暗転し、もう一度照明が点くと、既にテイカーの姿は消えていました。

バックステージにて

フィンレーとケネディは、GMのセオドア・ロングに「テイカーとバティスタを今夜闘わせろ」と要求しました。しかし、ロングGMは「ケネディ&フィンレー vs テイカー&バティスタ」を行うと決定しました。しかもノーDQ戦です。



ケイン&ブギーマン vs ウィリアム・リーガル&デイヴ・テイラー

英国出身のリーガルとテイラーにとっては地元凱旋試合です。それなのに、どういうわけかケイン&ブギーマンという前代未聞の異次元コンビと対戦することになってしまいました。テクニックで勝るリーガル組がケインに的を絞って攻め込み、全体的には押し気味だったのですが、掴みどころのない怪物組を相手に攻め切ることができず逆転され、故郷に錦を飾ることは出来ませんでした。


ブギーマン(ネックハンギングボムからピンフォール)リーガル×


試合後、ブギーマンはいつものようにポケットからミミズを取り出して頬張りました。どうやら英国でも生きたミミズは調達できるようです。JBL「英国の動物愛護団体はどこだ。ミミズを虐待しているぞ」と話していました。そんなJBLには日本の「素魚(しろうお)の踊り食い」を体験させてあげたい。



ブライアン・ケンドリック vs デュース

○デュース(ヒールキックからピンフォール)ケンドリック×



MVP 特別試合

MVPは「ベノワより強い王者2人を招いた。今夜、特別試合を行う」とアナウンス。
1人目は、エディンバラ出身のスコットランド王者、ハムレットマクベス(なんちゅう名前だ)。「勇者として有名な男、ケツの穴から稲妻をぶっ放すこともできる」と紹介されました。そんなことが出来ても何の役に立つのかは分かりませんが、JBLは「すごいな」と驚きの声を上げていました。


○MVP(プレイメーカーからピンフォールマクベス×


第1試合に勝利したMVPが2人目を紹介…しようとしたところに出てきたのは、クリス・ベノワでした。予定されていた対戦相手とは違います。多分違うと思います。違うんじゃないかな。まあちょっとは予想していましたが。



MVP vs クリス・ベノワ

なかなかの好勝負が展開されたのですが、ベノワがダイビングヘッドバットを狙ってコーナーポストに登ったところでMVPは自らリングを降り、カウント負けを選びました。


○ベノワ(カウントアウト)MVP×



マーク・ヘンリー プロモーションVTR

ヘンリー「俺に触れるとケガをする」
ケガするのはお前だろ。


ジリアン vs ミシェル・マクール

試合前にジリアンが得意の歌を披露。その強烈な歌声はロンドンを震撼させました。RAWの歌姫がリリアンなら、Smackdownの歌姫はジリアン。LillianとJillian、一文字違うだけでえらい差があるものです。そのリリアン・ガルシアは欧州遠征に帯同していません。リリアンの歌は聴けないのに、ジリアンの歌は聴かせられるのです。ヨーロッパのファンにとってはとんだ災難でした。


○ジリアン(Xファクター?からピンフォール)ミシェル×


ジリアンは試合前の歌が途中で遮られた為、試合後にマイクを取ってまた歌い始めました。しかし、その歌声を聞いて逆上したミシェルは、ジリアンの髪を掴んで引きずり回し、鉄階段に叩きつけました。いくらひどい歌だからといって、そこまでやらなくても…。



ノーDQマッチ ミスター・ケネディ&フィンレー vs アンダーテイカー&バティスタ

バティスタケネディを攻め込み、バティスタボムで決めようとしたのですが、負傷した右脚を狙われて逃げられてしまいました。更にフィンレーの棍棒攻撃を受け、痛みに耐えかねて場外に転落しました。テイカーはノータッチでリングに入ると、二人を相手に大立ち回り。猛攻を続けた後、フィンレー、ケネディと連続チョークスラムでKOしました。ところが、テイカーが首切りポーズでアピールしている間にバティスタが場外から戻り、フィンレーにスパインバスターを決めてすぐさまカバーし、自分で取ってしまいました。


バティスタ(スパインバスターからピンフォール)フィンレー×


イカーは自分が痛めつけた獲物を横取りされていかにも不満そうな様子。
PPV「バックラッシュ」では、この両選手による世界ヘビー級選手権試合が行われます。試合形式はラストマン・スタンディング・マッチ。ノーDQ、エニウェア形式(会場内のどこで闘ってもよく、どこでも決着がつく)で行われ、相手をダウンさせて10カウントを奪えば勝利となる方式です。
バティスタが「誰にも俺を倒せないし、俺から10カウントは奪えない。王座は俺のものだ」とアピールすると、テイカーは「お前の“魂”を奪ってやる」と強烈なメッセージを返しました。


フィンレーは地元凱旋(北アイルランドベルファスト出身なのでそれほど地元でもない)、メイン出場だったのに、テイカーとバティスタの対立に隠れてしまい、割を食った感があります。それでも一度リタイアした選手がこの大きな大会のメインに抜擢されたのですから、それ自体が驚くべきことだといえます。フィンレーをビッグマッチのメインに出す団体が他にあるでしょうか?WWEはエンターテインメントを前面に押し出していますが、業界の歴史に対するリスペクトも失われていません。この奥の深さこそがWWEの魅力なのです。