2007/5/28 RAW

at ペンシルベニア州立大学



ミスター・マクマホン演説

会長秘書ジョナサン・コーチマンに紹介され、新ECW王者ミスター・マクマホン…つまりWWE会長ビンセント・ケネディ・マクマホンがリングに上がりました。ECWベルトを誇らしげに掲げています。
前週、グレート・カリはWWE王座を狙う3人と王者シナを全員潰しました。そこで、会長はPPV「ジャッジメント・デイ」において、シナとカリのタイトルマッチを行うことをアナウンス…しようとしたところで、HBKが割って入りました。
HBKは「俺とカリのシングルマッチを組んでくれ」と要望。会長は珍しくその希望を受け入れ、HBKとカリの試合をノーDQ戦で行うことを決定しました。
満足したHBKが引っ込んだところで、会長は自らの持つECWのベルトを自慢し始めました。しかし、やはりここで前王者ラシュリーが割って入りました。ラシュリーはリングに入ってきたのですが、会長は前週提示した再挑戦の為の条件「会長、シェイン、ウマガに手出ししてはいけない」を盾に余裕を持って迎え入れました。会長はWWEマガジン最新号の表紙に3人の王者の写真が掲載されているのをネタに、ラシュリーの代わりに自分を入れた合成写真を披露した…ようですが、国内版は知りませんが日本に配信されている海外版ではテレビの画面に映されませんでした。会長はその後も侮辱し続けるのですが、ラシュリーは最後まで手を出せずに悔しそうな表情で立っているだけ。
しかし、一通り喋って満足した会長が引き上げようとしたところで、ラシュリーはコーチを呼び止めました。そう、「手出ししてはいけないリスト」の中に、ジョナサン・コーチマンの名前はありません。ラシュリーはコーチに右フックを決め、倒れたところをマウントパンチでボコボコに。更に、鉄階段にぶつけ、ケーブルで首を絞め、とどめに必殺のスピアー。会長に対する「お前も同じ目に遭うぞ」というアピールでした。

ミッキー・ジェームス&キャンディス・ミシェル vs ビクトリア&メリーナ

ここのところキャンディスが絶好調です。結果だけではなく、動きも以前に比べると格段に良くなっています。メリーナの技術が足踏みしている中、キャンディスの成長は頼もしい限りです。逆にミッキーはトリッシュを意識し過ぎです。ミッキーならではの個性が感じられないのはいただけません。


○キャンディス(フライングニールキック?からピンフォール)メリーナ×



インターコンチネンタル選手権試合 (王者)サンティーノ・マレラ vs “マスターピースクリス・マスターズ

OVW所属ながら一観客として観戦していたイタリア公演のオープンチャレンジで電撃的にタイトルを奪取してしまったマレラですが、これからの防衛戦で真価が問われることになります。今回の試合を見る限りでは、やはりまだキャリア不足が感じられます。マレラのように、恵まれているとは言いがたい体格で突然スターダムにのし上がった選手といえば、タフ・イナフ出身のダニエル・ピューダーやメイヴェンが思い出されますが、両名とも既にWWEを解雇されています。小さな体で成功している選手はだいたい皆下積みが長く、体格をカバーするだけの技術(レスリングに加え、アピール力や相手を光らせる受けなどを含む)を持っています。短い下積みで成功したのはカート・アングルくらいでしょうが、オリンピック・ゴールドメダリストなのでスタートラインが違う上に、短期間でプロとしての実力も身につけましたから別格です。マレラも数ヶ月はプッシュされるでしょうが、その後は自分の力で道を切り開かなければなりません。


○マレラ(レッグロールによるピンフォール)マスターズ×
※マレラ王座防衛



WWE名場面集

ここでクリス・ベノワロブ・ヴァン・ダムの試合を持ってきたことは、WWEのマレラに対する期待の表れなのでしょうか?ベノワもRVDも、小さな体でWWEのトップに上り詰めた苦労人です。マレラの体格は彼らと同じくらいでしょうし、この両選手のように、マレラも腕を磨いてトップにまで上り詰めてほしいという意図が見えるような気がするのですが、私の考え過ぎかも知れません。

ミスター・ケネディ演説

何が目的なのかは分かりませんが、わざわざRAWに来て328日後の「マネー・イン・ザ・バンク」権利行使を宣言しました。しかし、このパフォーマンスが元で後で大変なことになるとは、この時のケネディには知る由もないのでした。

ハンディキャップマッチ ウマガ vs ハイランダーズ(ローリー&ロビー)

エストラーダは前週ラシュリーにボコボコにされて来場していませんが、ウマガの力は数の劣勢などものともしません。ローリー(禿頭)、ロビー(長髪)と立て続けにサモアンスパイクでKOし、二人を重ねて69(619にあらず)の体勢にすると、その上からスプラッシュを決め、まとめて粉砕しました。


○ウマガ(スプラッシュからピンフォール)ローリー×



バックステージにて

エッジはケネディを掴まえ、先ほどのパフォーマンスに文句をつけました。エッジはなぜか王座よりもマネー・イン・ザ・バンクの方が好きなようで、この制度が始まってから誰よりもこだわりを見せています。エッジが「自信があるならマネー・イン・ザ・バンクの権利を賭けて俺と闘え」と挑発すると、ケネディはそれを受諾してしまいました。キングは「ケネディは何を考えているんだ?」と言っていましたが、私もそう思います。

WWE王座 #1コンテンダー決定戦 ノーDQマッチ グレート・カリ vs “ハート・ブレイク・キッド”ショーン・マイケルズ


これぞハート・ブレイク・キッド!!まさにショー・ストッパー!!


なんと、あのカリを相手にまともな試合を成立させてしまいました。あのカリを、巨大でパワフルなモンスターに変貌させたのです。たとえHBKといえども、まさかここまでカリの力を引き出すとは思ってもみませんでした。序盤は小さな体をダイナミックに動かしてカリの大きさを際立たせ、スピーディーな攻撃を連続してカリを攻め込んだかと思うと、攻守が入れ替ればハードバンプでカリのパワーを何倍にも拡大して見せるという、巨漢レスラーを相手にする時のお手本のような試合でした。こんな試合をやれるからこそHBKは尊敬を集めているのです。いやあ、いい試合を見せてもらいました。


○カリ(ネックハンギング・ボム・オン・ザ・テーブルによるKO)HBK×
※カリはWWE王座への挑戦権を獲得


さて、PPV「ジャッジメント・デイ」で対戦することになるWWE王者ジョン・シナは、これ以上の試合ができるでしょうか?言うまでもなく勝てばいいというものではありません。カリにはウマガのような受けの巧さはありませんし、攻撃時にもすぐにスタミナ切れになるという厄介な相手です。そのカリにまともな試合をさせた上で、それ以上の強さを見せて叩き潰さなければならないのです。ある意味、これ以上手ごわい相手はいません。それだけに、良い試合をすればシナへの評価は一気に高まると思われます。私も恐いもの見たさでPPV買うかも知れません。



ハーディーズ vs ワールド・グレイテスト・タッグチーム

○マット(バックスープレックス→ジェフのスワントーンからピンフォール)ハース×

カリート演説

フレアーと仲違いしたカリートは、負け続けたことを全部フレアーのせいにして不満をぶちまけました。今回フレアーは来場していません。それを分かった上で呼び出し、出てこないのを逃げたと罵る有様。更にトリー・ウィルソンも罵倒し、これからは一人でやっていくことを宣言しました。それにしてもトリーが捨てられるのはこれで何回目でしょうか?

王座挑戦権争奪戦 (ミスター・マネー・イン・ザ・バンク)ミスター・ケネディ vs エッジ(挑戦者)

ケネディの入場時、エッジが背後から襲い掛かりました。奇襲はエッジの十八番。リングベルが鳴る前にケネディを徹底的に痛めつけました。しまいには放送席のモニターで殴りつけるという暴挙に。レフェリーのキオーダはエッジをコーナーに下げ、やっとのことで立ち上がったケネディに「やれるのか?無理しなくてもいいぞ」と意思確認しましたが、ケネディが戦う意思を見せたため、リングベルが鳴らされて正式に試合が始まりました。しかし、その直後にエッジのスピアーが決まり、あっという間にスリーカウントが入ってしまいました。


○エッジ(スピアーからピンフォールケネディ×


その結果、ケネディの持つ王座挑戦権はエッジの手に渡りました。ケネディは当然取り返そうとするでしょうが、その前にエッジが権利を行使しないとも限りません。いったいマネー・イン・ザ・バンクの行方はどうなってしまうのでしょうか?



ランディ・オートン vs ジョン・シナ

試合の最中、カリがのそのそとリングサイドに歩み寄り、本部席に歩を進めたかと思うと、なぜか無言でWWE王座のベルトを持ってのそのそと引き上げていきました。それを見たシナは追いかけて行ったのですが、逆にベルトで殴られてダウンしてしまいました。そして、そのままのそのそと入場ゲートから出て行きました。そこで放送は終わり、試合の結果がどうなったのかは不明なままでした。