2007/5/30 Smackdown

at ペンシルベニア州ピッツバーグ



MVP&フィンレー vs クリス・ベノワ&マット・ハーディ

○ベノワ(ドラゴンスクリュー→ジャックナイフによるピンフォール)MVP×


オープニングからレベルの高いレスリングが見られました。これだけの実績を積んでなお新しいムーブを取り入れるフィンレーやベノワは本当に素晴らしい。



ジリアン vs ミシェル・マクール

スマックダウンの歌姫ジリアンが素晴らしい歌を披露しました。彼女の歌はピカソに匹敵する芸術で、おそらく生きているうちに評価されることはないでしょう。


○マクール(バックブリーカーからピンフォール)ジリアン×



ポール・ロンドン w/z スパンキー vs ドミノ w/z デュース&チェリー

髪を中途半端に伸ばし、ひげをたくわえたロンドンを見ると、日本ハム時代のガッツを思い出します。移籍したらシピンみたいに小奇麗にしてしまいましたが。


○ロンドン(三角飛びムーンサルト?からピンフォール)ドミノ×



ケイン w/z ブギーマン&リトル・ブギー vs デーヴ・テイラー w/z ウィリアム・リーガル

○ケイン(チョークスラムからピンフォール)テイラー×

世界ヘビー級選手権試合 スチール・ケージ・マッチ (王者)アンダーテイカー vs バティスタ(挑戦者)

両者とも金網を上から乗り越え、ほぼ同時に着地。2名のレフェリーはどちらが先に着地したか判断がつけられず、VTRで確認することになりました。しかし、スローVTRでも同時着地にしか見えず、結局引き分けという判定になりました。


△テイカー(ドロー)バティスタ
※テイカー王座防衛


とはいうものの、実際にはテイカーの方が先に飛び降りていたのは間違いありません。呼吸を合わせてもコンマ1秒以下の誤差で同時に飛び降りるのは難しいものです。リプレイをわざわざ2画面分割表示にしていたのは、フレーム単位でタイミングが一致するように加工したからでしょう。テイカー側の画面の奥にバティスタが映っていたのですが、分割された画面間でバティスタの動きがわずかに(数フレーム分)ずれていました。
我ながらいやらしい指摘ですね。


王座防衛に成功し、勝ち名乗りを上げるテイカーに、突然黒い塊が襲い掛かりました。その物体は“ワールド・ストロンゲスト・マン”マーク・ヘンリー。少しは痩せただろうかと思っていたのですが、逆に太ったように見えました。この調子ではまた膝を怪我するでしょう。そんなことはどうでもいいのですが、ケージマッチを闘い抜いた後でボロボロのテイカーを掴まえ、その怪力で徹底的に痛めつけました。これはテイカーへの宣戦布告なのでしょうか?


イカーを散々痛めつけて満足したヘンリーが引き上げようとしたところで、突然エッジの入場テーマが鳴り響きました。エッジはカバンを手にしています。これは、RAWでミスター・ケネディから強奪したものではありませんか。そして、なんとここで王座挑戦権を行使したのです。王者に拒否権はありません。



世界ヘビー級選手権試合 (王者)アンダーテイカー vs エッジ(挑戦者)

エッジはリングベルが鳴るや否やすぐさまカバーしたのですが、これは返されてしまいました。信じられないといった表情でもう一度カバーしたのですが、これも返されました。そして、テイカーはいつものように上体をムクっと起こし…いや、起き上がれませんでした。こんなことは初めてです。
エッジはコーナーに控え、テイカーが立ち上がるのを待ちます。テイカーがロープに掴まり、やっとのことで立ち上がると、そこに走り込んでスピアーを決め、カバーしました。


○エッジ(スピアーからピンフォール)テイカー×
※テイカー防衛失敗、エッジが新世界ヘビー級王者に


ああ、ECWで速報なんかやらなければこれ以上ないくらいびっくりしたのに。火曜日収録、金曜日放送だとこんな問題があったのです。
それにしても、エッジがこんなに早く権利を行使するとは思いませんでした。これにはいくつかの理由があったようですが、それには触れません(というか噂レベルの話しか知らないのでなんとも言えない)。
会場で見ていた観客は、二転、三転する展開に始めはあっけに取られ、そしてエッジが勝利した瞬間には大騒ぎになりました。エッジに罵声を浴びせていた人もいましたが、逆に大喜びしていた人もいましたし、賛否は半々か賛の方が多いように見えました。喜んでいた人は、まったく予期していなかった大ハプニングを目にして喜んでいたのでしょう。私もハプニング好きなのでその気持ちは分かります。シークがブッチャーに火を投げつけたとか、ハンセンがテリーに場外ラリアットを食らわせたのと同じくらい衝撃的なシーンでした。
ともかく、エッジはこれで新世界ヘビー級王者です。マネー・イン・ザ・バンクの権利を2回手にし、そのいずれも行使した時に王座を奪取したのです。ある意味ではこれも偉業でしょう。常に「いかにして嫌われるか」を考え続け、それを実行に移してきたエッジらしい、実に見事な仕事でした。そのプロ根性に脱帽です。